共有者が行方不明になっている不動産があり、何もできなくて困っている。
1 共有者が行方不明であることの確定
まずは、共有者が行方不明であることを確定させます。
住民票を本籍ありで取って、戸籍の附票を調査、最後の住所地から職権抹消されていれば、どこに住んでいるかわからない状態ということになります。逆に調査して、住所がわかれが、そこに連絡を取ってみて話し合いをすればよいだけのことです。
もっとも、話し合いがうまくいかない場合もあります。そのときは、共有物分割の裁判を起こして、代償金を支払って自分のものにするか、逆に相手に代償金を支払わせて名義をすべて相手の名義にするかということを検討していくことになります。
これに対し、住所がわからない場合には、不在者であるとして、家庭裁判所に財産管理人の選任を申し立てることができます。裁判所で選任された財産管理人に共有持分に相当する金銭を支払って、その持分を売買により全部取得することで解決する方法も考えられます。
2 共有者の生死が7年以上不明な場合
共有者の生死が7年以上明らかでないなどには、失踪宣告の手続により、死亡したものとして扱った上で、その後相続人不存在手続によって、家庭裁判所で財産管理人の選任を行い、特別縁故者の申立もなく確定したときは民法255条により他の共有者がその持分を取得することができますので、この方法で解決することもできます。
最高裁判例第二小法廷平成元年11月24日判決・民集第43巻10号1220頁
「共有者の一人が死亡し、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了したときは、その共有持分は、他の相続財産とともに、法958条の3の規定に基づく特別縁故者に対する財産分与の対象となり、右財産分与がされず、当該共有持分が承継すべき者のないまま相続財産として残存することが確定したときにはじめて、法255条により他の共有者に帰属することになると解すべきである。」
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