遺贈や贈与がある場合の遺留分減殺の順序はどうなるのでしょうか

Q.遺贈や贈与がある場合の遺留分減殺の順序はどうなるのでしょうか

A.遺留分侵害額請求権の対象となるのは遺贈又は贈与です(民法1031条)。

複数の法律行為がある場合の遺留分侵害額請求の順序

1 遺贈と贈与では、遺贈が先

民法1033条は、次のように規定しています。
「贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。」
贈与財産は、相続開始前にすでに逸出しているためです。

2 「相続させる」遺言、相続分の指定、遺産分割方法の指定

遺贈と同順位で減殺の対象となると考えられます。

相続人への包括遺贈については、最高裁は、特定遺贈と同じと理解し相続財産か
らの逸出を認めるので(最高裁第二小法廷平成8年1月26日判決・民集第50巻1号132頁。前掲Q2参照)、遺贈と同順位で遺留分侵害額請求の対象となると考えられます。

3 生前贈与と死因贈与は、死因贈与が先

死因贈与も被相続人が亡くなってから贈与の効力が生じるものなので、相続開始前に財産が逸失した生前贈与より先に減殺すべきであると考えられます(死因贈与は、遺贈に次いで、生前贈与より先に、遺留分減殺の対象とすべきであるとする東京高裁平成12年3月8日判決・高裁民集53巻1号93頁,判タ1039号294頁参照)。

すなわち、遺贈を減殺してもなお遺留分侵害額の回復ができない場合に初めて、死因贈与を減殺の対象とすることができ、遺贈・死因贈与を減殺してもなお遺留分侵害額の回復ができない場合に初めて、生前贈与を減殺の対象とすることができます。

同順位の法律行為が複数あるときは、遺言者の別段の意思表示がないときは、目的の価額の割合に応じて減殺されます(民法1034条)。

生前贈与が複数存在するときは、相続開始時に近い贈与から減殺され、順次前の贈与に逆上ります(民法1035条)。

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この記事を担当した弁護士

弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所

所長弁護士 森本 精一

専門分野

相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務

経歴

昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。

平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。

現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。

相続問題解決実績は地域でもトップレベルの300件を超える。弁護士歴約30年の経験から、依頼者への親身な対応が非常に評判となっている。

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