遺産分割に関連する裁判手続の種類

遺産分割に関連する裁判手続は、遺産分割が協議でまとまらず、調停でもお互いが譲り合わずに不調になった場合に発生する審判が代表的です。

しかし、それ以外にも、そもそも遺産分割を行うにあたっての事実関係の認定の段階で主張が対立している場合には、民事訴訟を申し立てる「事実関係を争う訴訟」というものがあります。

主に3種類あり、

・相手方に相続人の地位が存在しているかを争うもの

・遺産(相続財産)の範囲について争うもの

・遺言の有効性・無効性を争うもの(いわゆる遺言無効訴訟)

があります。

それぞれ見ていきましょう。

目次

①遺産分割審判

②相手方に相続人の地位が存在しているかを争う訴訟

③遺産(相続財産)の範囲について争う訴訟

④遺言の有効性・無効性を争う訴訟(いわゆる遺言無効訴訟)

遺産分割審判

相続が発生して、相続人の間で遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて、裁判所を通じての話合いをすることができます。また、調停で話合いがまとまらない場合には、審判手続に移行し、裁判官が判断します。

詳しくは、遺産分割調停や審判のページをご覧ください。

遺産分割調停や審判について詳しくはこちら>>

相手方に相続人の地位がそもそも存在しているかを争う訴訟

相続人の地位不存在確認訴訟と呼ばれる訴訟です。相手方に、相続人として故人の財産を受け取る権利が存在するか、について争われるものです。

相続人の地位不存在確認訴訟を起こすケースとして、被相続人である夫が死亡し、戸籍上の相続人には後妻と後妻の子、先妻との子の3人がいる場合を考えます。後妻及び後妻の子が遺言書を偽造した場合、その相続人は相続欠格にあたります(民法891条5号)。

そこで、先妻の子らが、後妻及び後妻の子に対し、偽造を理由に遺言無効確認請求訴訟を提起する場合、同時に相続権不存在確認請求訴訟を提起することがあります。実際には、遺言無効確認請求訴訟と相続権不存在確認請求訴訟は同時進行するか、同一手続に併合されて進行します。

(相続人関係図を追加)

※相続の欠格事由とは

→「推定相続人に、被相続人に対して相続人としての地位を与えることがふさわしくない」ということを相続欠格といいます。その相続欠格が認められる一定の事由のことを「相続の欠格事由といいます。

具体的には、被相続人を相続人が殺害している場合や相続人が脅迫等で無理やり被相続人に遺言を書かせた場合、「相続人が、相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した場合 」などがあります。(相続欠格事由は民法891条各号に規定されています)

遺産(相続財産)の範囲について争う訴訟

相続人の範囲について争う訴訟は、「遺産確認訴訟」と呼ばれます。

「遺産確認訴訟」とは、相続財産になりえるべき遺産(相続財産)が、遺産の範囲に含まれているか、について争われる訴訟です。

遺産確認訴訟を起こすケースとして、父が亡くなり、相続人が子2人の兄弟の場合を考えます。

被相続人の相続財産の預貯金が、子の1人から生前贈与を受けたとの主張がなされた場合に、もう1人の子がその預貯金が生前贈与はなされておらず父の相続財産の範囲に含まれるべきであると主張して争われるケースが考えられます。

遺言の有効性・無効性を争う訴訟(いわゆる遺言無効訴訟)

遺言無効訴訟とは、名前の通り、故人が生前に遺していた遺言に対して、その遺言が無効であると主張して起こす訴訟のことです。

遺言無効訴訟を起こすケースとして、母が亡くなり、相続人が母と同居していた姉と弟の2人の場合を考えます。

母が亡くなり、遺言が見つかったものの、明らかに弟に不利な内容の記載があったため、遺言の作成日を確認したところ、母が認知症になり判断能力もなくなってからの時期だと考えられたため、弟の依頼で遺言は無効であると主張して訴訟を起こすケースが考えられます。

遺言無効について詳しくはこちら>>

当事務所では、相続・遺産分割に関連する訴訟についてのサポートをさせていただきます。

協議や調停の段階で、上記のような事実関係に争いがある場合で、話し合っても平行線を辿る可能性が高いとお思いの場合には、時間と費用は発生しますが、訴訟を提起しての解決も視野に入れるべきです。

ただ、訴訟を提起するかどうかの判断は、証拠関係を吟味して、訴訟の結果などを想定して行うべきです。

遺産分割審判や関連する訴訟の流れや、訴訟になった場合の可能性などについては、事前に弁護士にご相談いただき、方針を決定するとよいでしょう。

当事務所では、相続の解決実績事務所全体300件以上(代表弁護士の弁護士歴28年)の豊富な経験から、遺産分割に関連する訴訟の方法や考え方に熟知し、訴訟の結果を想定してご提案をさせていただくことができます。

一方で、訴訟を起こすことになりますので、お客様単独で進めることは不可能に近いと考えられます。心労も多くなりやすいです。私たち弁護士もそのようなお客様の様子を見ていていたたまれなくなることもしばしばあります。

そこで、当事務所では遺産分割に関連する訴訟についてのサポートをご提案させていただいております。

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この記事を担当した弁護士

弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所

所長弁護士 森本 精一

専門分野

相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務

経歴

昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。

平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。

現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。

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