遺留分減殺請求(現遺留分侵害請求)を行った事例

概要(相談背景)

被相続人Aは公正証書遺言で、不動産を除く預貯金のすべてを子供のY1に、不動産をY1のY2(被相続人から見て孫)に遺贈する旨の遺言をしていました。被相続人Aは死亡し、法定相続人は、被相続人の子供Y1、X1、X2でした(Aの配偶者BはAが亡くなる前に亡くなっていました)。 X1,2は、Y1、2に遺留分減殺請求権を行使して、裁判外で話し合いをしましたが、話し合いがまとまらなかったので、裁判を提起しました(遺留分侵害額請求に改正される前の事件)。当事務所は、X1,2の代理人です。

裁判上の争点

その1
X1,2は、それぞれ、Aの配偶者であったBから貸し付けを受けていましたが、返済を行わず時効になっていました。 AとBは、自営業を営んでいたので、Bの貸付金を返済せず時効になったことで、X1、X2は利益を受けており、それは、X1,2の特別受益にあたるとして、Y1,2が争いました。
その2
Y2がもらった不動産の土地上にはY2名義のマンションが建っており、Y2の住宅ローンの返済のために物上保証の根抵当権登記が設定されていました。そのため、Y2は、抵当権付き債務を不動産の価値から控除すべきであるとして争いました。

結果(裁判所の判断)

その1について
貸金なので、返済約束があり、貸し付けの主体が被相続人ではなく、その配偶者であるものを経済的利益と夫婦の財布の同一性を根拠に特別受益の対等である贈与と同視できるかについて、裁判所は否定しました。
その2について
Y2のマンションは空き家保証のあるサブリース契約であり、黒字経営で、求償権が現実化する可能性がないので、抵当権付き債務は控除しないと判断しました。  
(原稿作成 担当弁護士 森 本 精 一)

この記事を担当した弁護士

弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所 所長弁護士 森本 精一

専門分野

相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務

経歴

昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。 平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。 現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。 相続問題解決実績は地域でもトップレベルの300件を超える。弁護士歴約30年の経験から、依頼者への親身な対応が非常に評判となっている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>

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