使途不明金の照会について,早期に調停に移行したことで、和解で解決できた事例
分野:遺留分割 依頼者:50代 被相続人の妻 トラブル相手:依頼者のお母さん 遺産の種類:不動産(実家の被相続人の持ち分、他の不動産)、預貯金、株 係争額:約1億円前後
概要(相談背景)
相手方が被相続人の財産を管理していた時期があり、生前の使い込み・生前贈与かわからない使途不明金がありました。 この使途不明金について、ご相談者様がご相談前から調査をされており、実際に使い込みか生前贈与なのかの検証を当事務所にご依頼いただきました。
交渉の経過(解決までの流れ)
調査の結果を相手に伝えて交渉に入りました。 相手方もその資金の移動について記憶がなく(隠している可能性もありましたが)、交渉では真偽をつけることができず、調停に移行したほうがスムーズに解決できると判断しました。 調停では、生前に貰ったと言われているお金について、通帳毎のお金の流れを整理し、相手方と譲歩できるところまで、交渉をしました。
結果
特別受益で認められた額は1000万円になり、それを踏まえて遺産分割を行いました。 お母さまとご依頼者様の遺産の取り分を増やすことができました。
解決のポイント
ご不満に思われていることを調停員にお話されていることで、感情的な気持ちをなだめることができ、結果的に相手方もご依頼者様も譲歩することで事件を解決することができました。また、県外の不動産は、別途売却して分配することで解決することとしました。 相続は10年戦争とも言われるほど、ご不満などを貯めすぎると長期化する傾向にあります。早期に相談することが不満を貯めないことにもつながりますので、早期の相談をお勧めしています。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所 所長弁護士 森本 精一専門分野
相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務経歴
昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。 平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。 現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。 相続問題解決実績は地域でもトップレベルの300件を超える。弁護士歴約30年の経験から、依頼者への親身な対応が非常に評判となっている。 詳しい弁護士紹介はこちら>>相続解決事例の最新記事
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