遺産分割調停で調停が成立した事例(立替払いした分が寄与分として認められた事例)
相談内容
最初に、依頼者がお越しになられたときには、遺産分割協議のご依頼を弁護士にしていただきました。
依頼者には、本人を含めて兄弟が8人おり、依頼者が、本来被相続人の負担すべき税金や下水道負担金、銀行の支払いを立て替えていました。
依頼者は、被相続人に対する寄与分があることを主張し、他の兄弟には相続させたくないという相談でした。 当初は、遺産分割協議を実施しましたが、兄弟のうち4名が反対し、遺産分割協議が成立しなかったたため、遺産分割調停に移行いたしました。
争点
依頼者が、立て替えて支払した分について、その領収書の宛名が被相続人でしたので、相談者が支払った事実がわからない状態でした。そのため、依頼者の寄与分が認められるかが争点となりました。
結果
遺産分割調停の結果、依頼者の主張する寄与分は部分的に認められました。
立て替えた部分の中でも、不動産に対して支払った金額が、不動産の価額の7/8よりも足りなかったため、依頼者が実際に支払う金額を少なく済ませることができました。
また、遺産分割の内容に反対した方の中に、被相続人の遺言で一部の不動産を受け取っている人がいて、その人たちがもらった不動産の道路を共有名義にしてもらい、そのかわりに寄与分を譲歩してもらう、という形で遺産分割を成立させました。
弁護士所感
立て替えた分について、領収書があったため、寄与分が認められやすい事案でしたが、審判に至らず、話し合いで完了でき、早期(調停申し立てから2年2か月)の解決ができました。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所
所長弁護士 森本 精一
専門分野
相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務
経歴
昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。
平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。
現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。
相続問題解決実績は地域でもトップレベルの300件を超える。弁護士歴約30年の経験から、依頼者への親身な対応が非常に評判となっている。
相続解決事例の最新記事
- 遺留分減殺請求(現遺留分侵害請求)を行った事例
- 遺留分として1億超えの金額を請求されたが最終的に約1000万円で和解をしたケース
- 使途不明金の照会について,早期に調停に移行したことで、和解で解決できた事例
- 相手方の主張が変わらないことから、早期に調停・審判へ移行したことで、1年以内に解決し、無事自宅不動産を得ることができた事例
- 一人に全財産を相続させる遺言がされたが、弁護士が遺留分侵害額請求で希望額を獲得した事例
- 預貯金の使用や動産の処分費用などの複雑な遺産分割を、弁護士が争点を単純化し、約3000万円相当の遺産を獲得した事例
- 親の介護をしていたので一定割合の寄与分を認めてもらい、遺産のすべてを相続した事例
- 遺産相続した不動産を売却したら、弟から売却代金の半額を請求された事例
- 遺留分侵害額請求を行使し裁判で遺留分を認めてもらった事例
- 兄弟間で遺留分侵害額請求を行使した事例
- 遺産分割調停で調停が成立した事例(後妻の子と先妻と子との間の争い)
- 遺産分割審判になった事例(寄与分及び特別受益の持ち戻しを認めた事例)
- 遺産分割審判になった事例(寄与分が認められた事例)
- 遺産分割審判になった事例(後妻と先妻との間の子との争い2)
- 遺産分割審判になった事例(後妻と先妻との間の子との争い)
- 当方が主張する贈与契約の不存在が裁判で認められた事例
- 故人の預金を解約したいが相続人の中に行方不明者がいたという事例
- 死後3ヶ月以上経過した後に相続放棄を受理してもらった事例
- 父が後妻に遺産を全てやるという遺言をしていたため前妻の子Jさんらが裁判をした事例
- 法定相続分についての貯金を訴訟をして受け取ったFさんの事例