親の介護をしていたので一定割合の寄与分を認めてもらい、遺産のすべてを相続した事例
相談内容
相談者Xさんは母親Aさんが亡くなったため、相続人たちと遺産分割方法を決めていました。
遺言書などがなかったため、相続人の間で話がまとまらず弁護士に相談し、遺産分割調停を申し立てました。Xさん以外の相続人は姉のY1さんと、甥っ子のY2さんでした。(相続人はこの3名しかいませんでした。)
Aさんの財産は不動産と預貯金がありました。
Xさんは、遺産である不動産に居住していたため、最低でも不動産を取得したいと考えていました。
争点
療養介護していたXさんが遺産を相続する際、代償金はいくら支払えばよいか。
弁護士の提案内容
Xさんは生前、高齢のAさんの食事を作って自宅でAさんの療養介護に励んでいました。そのため、遺産すべてを相続することを提案することとし、代償金として預貯金を換金した金額のうち全財産の20%をXさんの寄与分として認めてもらい、残りの金額を1/3にしてY1、2さんそれぞれに支払うことを提案しました。
結果
Xさんの希望通り、20%の寄与分を認めてもらい、残りの金額を1/3にした金額をY1、2さんそれぞれに代償金を支払うことで、遺産すべてを取得することができました。
弁護士の所感
Y1さんが調停外の交渉に応じていただけなかったため、調停申立てになりましたが、調停ではXさんの主張を認めていただき、早期に解決できました。
Xさんは、疎遠なY2さんとの間でもめることを危惧していましたが、財産を全て開示して話し合いに望んだところ、Y2さんには快く応じていただきました。
隠さず払うべきものは払うというスタンスが大事なのかもしれません。
この記事を担当した弁護士
弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所
所長弁護士 森本 精一
専門分野
相続、離婚など家事事件、交通事故被害者救済、企業法務
経歴
昭和60年に中央大学を卒業、昭和63年司法試験合格。平成3年に弁護士登録。
平成6年11月に長崎弁護士会に登録、森本精一法律事務所(現弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所)を開業。長崎県弁護士会の常議員や刑事弁護委員会委員長、綱紀委員会委員を歴任。平成23年から平成24年まで長崎県弁護士会会長、九州弁護士会連合会常務理事、日弁連理事を務める。平成25年に弁護士法人ユスティティアを設立し現在に至る。
現在も、日弁連業務委員会委員や長崎県弁護士協同組合理事などの弁護士会会務、諫早市情報公開審査委員委員長などの公務を務めており、長崎県の地域貢献に積極的な弁護士として活動している。
相続問題解決実績は地域でもトップレベルの300件を超える。弁護士歴約30年の経験から、依頼者への親身な対応が非常に評判となっている。
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